組織情報

概要


 わが国のシルクに関連する産業や歴史・文化を持つ市区町村が連携し、このほど「シルクのまちづくり市区町村協議会」が発足いたしました。1月26日には、東京都港区において設立総会が開催され、会長には京都府京丹後市長を選出。協議会は今後、活動目的の「シルク産業の活性化」や「シルク文化を活用した魅力ある地域づくり」に向け、会員市区町村がお互いに智恵を出し合い、将来を展望した対応を行っていくこととしています。

 

シルク産業とシルク文化の現状


 養蚕、製糸、織物、染色など、シルクに関わる産業は、地域経済の中で重要な役割を果たし、地域の生活や風土に根付いた産業として地域とともに発展してきました。同時に、悠久の歴史の中でこれら産業が培った技術により生み出される製品は、地域の文化を育むと同時にわが国文化の根幹にも大きく関わり、地域の価値や日本の品格を伝えるものとして、産業・文化の両面で貢献するものとなっています。特に、これらを代表するのが、みなさんもご承知のとおり、日本人の心とも言われる「きもの」です。
 しかしながら、社会・生活環境が急激に変化する今日においては、養蚕農家は減少し、国産繭生産量の激減による国内製糸業も低迷。さらには、きもの離れなどによって白生地の生産量も年々減少の一途を辿り、伝統色鮮やかな染色製品においても低迷の状況にあります。すなわち、わが国のシルク産業は、和装市場の縮小が大きく影響しているところであり、新規開発や設備投資ができないほどの経営事情の中で多くの事業者がもがいているのが実状です。新規人材の参入もなく、人材も高齢化するばかり。人的にも物的にも枯渇化が進んでいる状況にあります。またそのためにも、匠の技術の継承が危ぶまれ、ますますマイナスのスパイラルが働いている状況にあります。
 これらの状況がとりわけ、地域のシルク産業の発展の支障となっていることに加え、近代化・平準化の中でわが国固有の誇りある文化の風化さえも危惧される原因にもなっているところです。

 

設立趣意書


古来よりわが国に伝わる尊い宝、絹。

 絹を用いる産業、すなわちシルク産業は、地域経済の中で重要な役割を果たし、地域の生活や風土に根付いた産業として我々の地域とともに発展してきました。同時に、悠久の歴史の中でこれら産業が培った技術により生み出される製品は、地域文化を育むと同時に、わが国文化の根幹に大きく関わり、地域の価値や日本の品格を伝えるものとして、産業・文化の両面で貢献しています。
  ところが、社会・生活環境が急激に変化する中で、現在では資源の枯渇化や人材の不足、市場の縮小による需要減少など、地域のシルク産業の発展に支障が生じているとともに、近代化・平準化の中でわが国固有の誇りある文化の風化が危惧されているところです。
 一般的に、シルク製品は、養蚕、製糸、織物、染色など多段階の工程の中で、それぞれに長年にわたって極められた究極の技術が、完璧なまでに調和され完成されます。またそのものづくりは、技術者同士の厚い信頼と連携の上に成り立ち、日本が誇るものづくりの原点ともなっています。さらに、世界においてもシルクは、かつてシルクロードという長大な交易ルートを創造し、産業を活性化するとともに東西文化の交流を育んできています。すなわちシルクは、単なる繊維素材ではなく、歴史的にも経済社会の様々な断面を相互に発展に導く共通のきずなであり、今後においてもシルクを通じた「連携」「国際展開」「産業活性化」「文化交流」などによって、様々な分野の未来に多くの示唆と可能性を与えてくれるものであると確信します。
 こうしたシルクの持つ意味を改めて認識し、シルクに関連する産業、またはシルクに関係する歴史・文化を持つ市区町村が連携し、「シルク産業の活性化」や「シルク文化を活用した魅力ある地域づくり」など、シルクの意味を活用して新たな展望を切り開くため、「シルクのまちづくり市区町村協議会」を設立します。

 

平成22年1月26日

 

役員の紹介


 会長 滋賀県長浜市
副会長

新潟県十日町市

福島県川俣町

長野県安曇野市

監事

鹿児島県奄美市

茨城県結城市

連絡先


シルクのまちづくり市区町村協議会事務局

〒526-8501 滋賀県長浜市八幡東町632

商工振興課内

(Tel)0749-65-8766/(FAX)0749-64-0396

(E-mail)syoukou@city.nagahama.lg.jp